8/26(土)、27(日)の2日間、厚木市保健福祉センター ホールで「厚木シアタープロジェクト 劇団扉座による演劇体験教室」を行いました。文化会館で開催していた人気講座の出張版です。
講師の劇団扉座education部部長の田中信也さん。
まずはアイスブレイクとして、ミニゲームを通して演劇的な感覚を養いながら参加者同士コミュニケーションを深めていきます。
こども演劇体験教室では、グループごとに「桃太郎」や「運動会」などのワンシーンを表現。これはどのシーンかな? この人は何をしている人だろう? と想像力を膨らませて、参加者は各グループの発表を鑑賞しました。
大人のための演劇体験教室では、同じようにミニゲームを行った後に参加者同士がペアを作りました。目を閉じたペアの片方を、もう片方が声や音で誘導しながら会場内を歩いてみます。広い会場内に机やイスなどの障害物もあり、誘導する方もされる方も、一歩一歩がドキドキ。さらに慣れてくると、壁ギリギリまで近づいて手を触れてみたり、椅子の間を通り抜けたり。この動きで2人の意思疎通をはかったことが、この後の演劇作品作りにつながっていくのです。
そして実際に台本を見ながら、演技に挑戦。劇団扉座主宰の横内謙介さんや劇作家さんが書いた戯曲の一部が手渡され、グループやペアに分かれて実際に演じてみます。
こども演劇体験教室は、明日遠くへ引っ越してしまう小学生とその友人達の別れのシーンを。はじめはただセリフをなぞるだけだったのが、田中さんによって演出がついたり、演技のヒントが与えられたりするうちに、小学生たちの痛切な心情とその情景が伝わってくるようでした。
一方大人のための演劇体験教室の台本は、親に借金をしてマンションを買った若い夫婦が、1か月後に迫った入居を待ちきれず、深夜、建築中のマンションの一室に忍び込むシーン。
今回、大人の方の参加は17人。そこに扉座に所属する俳優の3人が加わって、10組の夫婦ができあがりました。セリフだけ見ると他愛もない夫婦の言い合いなのですが、やはりそこに演出が加わると、夫と妻それぞれの胸の内やそのすれ違いが想像できるように。さらにまだ建築中で灯りのないマンションに懐中電灯ひとつで忍び込む夫婦のやりとりは、先ほどの目かくしのワークでのやりとりを踏まえ、ペアごとに個性豊かな夫婦像を想起させました。
台本に書かれているセリフをもとに情景や登場人物の心情を想像しながら表現することのおもしろさを、子どもから大人まで楽しんだ2日間になりました。