2022年12月~2023年2月にかけて、清岡優子さん(ヴァイオリン)、堀米綾さん(ハープ)による「ヴァイオリン&ハープ レクチャーコンサート」を市内6校で開催しました。
1曲目には、お二人からのご挨拶も込めてエルガー「愛のあいさつ」を。また各校からのリクエストにお答えする形で、対象学年の児童たちが音楽の授業で習った曲や、合奏で演奏した曲、テレビで人気の曲などをヴァイオリンとハープのアレンジで演奏しました。普段耳にする音色とは違った新鮮な響きに、集中して聴き入る児童の姿が印象的でした。
また、楽器紹介では清岡さんが3歳でヴァイオリンを始めた頃に使用していた1/16サイズの小さなヴァイオリンと、今使用しているフルサイズのヴァイオリンとの比較や、堀米さんの使用しているグランドハープの弦の色や本数、足元ペダルの説明などを中心にお話ししました。
学校によっては、楽器体験や質疑応答コーナーを実施。ヴァイオリンの弦を弓で弾く力加減の難しさや、ハープでグリッサンド(一音一音を区切らず、指を滑らせながら流れるように音を出す奏法)をするときの指先の感覚を直に体験しながら、"自分で音を出す"ことのおもしろさを感じてもらいました。
そういったレクチャーを交えながら、ドニゼッティ「ソナタ」やモンティ「チャールダーシュ」など、ヴァイオリンとハープの音色や技巧を堪能できるクラシック曲も演奏。
終演後、児童から「ヴァイオリンとハープについてよく分かった」「音色が綺麗で、うっとりした」「自分の一番好きな音だと感じた」などの感想が出演者に伝えられました。今回のアウトリーチ公演によって、児童たちにとって普段なかなか間近で見ることのない2つの楽器についての理解を深め、興味関心を引き立てることができたように感じました。
■出演者プロフィール
清岡優子(ヴァイオリン)
東京藝術大学ヴァイオリン専攻を経て、同大学大学院修士課程室内楽専攻を首席で修了。また、NHK交響楽団アカデミー修了。11歳より故・山本直純氏の指導のもとジュニア・フィルハーモニック・オーケストラにて研鑽を積み、2003年にはコンサートミストレスとして欧州演奏旅行に参加。同年、藝大シンフォニア英国公演のメンバー に最年少で選抜され、渡欧。第38回鎌倉市学生音楽コンクール第2位、第10回日本クラシック音楽コンクール全国大会第3位、第3回Y.B.P.国際音楽コンクール優勝。第16回原村室内楽セミナー(現・リゾナーレ室内楽セミナー)最優秀賞受賞、奨学金を受ける。2019年、Duo Espoir(Vn.清岡優子、Pf.大野真由子)で3°Concorso Internazionale "Duo Hayashi"(イタリア)優勝。現在、藝大フィルハーモニア管弦楽団第2ヴァイオリン奏者、東京藝術大学講師。鎌倉音楽クラブ(鎌倉音楽家協会)会員。あたたかい音色と豊かな音楽性を評価され、ソロや室内楽、ゲスト首席やコンサートミストレスとしても活躍している。神奈川県出身・在住。
堀米 綾(ハープ)
東京藝術大学卒業。同声会新人賞受賞。現在「菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール」「アンサンブル東風」、ピアニスト林正樹氏率いる「間を奏でる」他、多彩なユニットのメンバーとして、また二十五絃箏やサクソフォンとのデュオ等で各地の公演に出演、複数のアルバムを発表している。また全国の小中学校音楽鑑賞会にて、ハープを含む室内楽を紹介している。
収録参加作品は、映画「すずめの戸締り」「天気の子」連続テレビ小説「らんまん」、Netfrixドラマ「初恋」、オリンピック2020東京大会開会式・閉会式ほか、多数。
2022年タップダンサー熊谷和徳氏のオーチャードホール公演にバンドメンバーとして出演。様々なアーティストと共演を重ね、ハープの新たな可能性を探求している。これまでハープを桑島すみれ、木村茉莉各氏に、室内楽を白土文雄氏に師事。
ラジオOTTAVAプレゼンター。